香港に恋した私〜How I fell in love with Hong Kong〜
今回は英語学習から少し離れて、私の大好きな国、 香港について書こうと思います。
香港に初めて行ったのは5年前。それから、 香港には仕事とプライベート合わせて、 もう10回以上行っています。
私が香港に恋したのは、 ほっぺたが落ちるほどおいしい飲茶やエッグタルト、百万ドルの夜景、賑やかな街と人のバイブだけではありません。
そう、私は香港の親友ができて、香港に恋をしたのです。
それは、私がニュージーランドに留学していた時でした。留学生や現地の学生に香港出身の学生がたくさんいました。そこで出会った香港出身の学生(と中国出身で香港在住の学生) と、同じく日本から留学に来ていた日本人(今ではみんな親友) と、恐らく人生で一番楽しい時間を過ごしました。
香港の親友に出会うまでは、香港に行ったこともなく、 あまりイメージが湧きませんでした。正直なイメージは、人口密度が高い金融都市!くらいでした。
本当にこんな超高層ビルが立ち並んでいます。
香港のみんなとの思い出は数えきれないほどありますが、 留学中にはよく学生寮でお互いの国の料理を作って一緒に食べたり 、夜遅くまでお酒を飲みながら恋愛の話から政治などシリアスな話まで、文字通り腹を割って話したりしました。
また、一緒に海に行ったり、 レンタカーを借りてニュージーランドの観光名所を旅したり、オークランドにある、アジア系のカラオケに行って騒いだり、 本当に楽しい時間でした。
留学の一番の醍醐味は、 かけがえのない友人を得られることだと私は思っています。そういった意味で私はとても恵まれていたな思います。
彼らと話をする中で、香港の生活や教育、中国との関係など、 色々なことを知ることができました。
彼らに出会うまで、香港は地理的には近かったけれども、心理的には遠い国でした。でも、彼らのおかげで、今では香港は地理的にも、 そして心理的にもぐっと近い国になりました。
かなり長い前置きになってしまいましたが、今日の記事では、香港とその魅力について紹介したいと思います。
※本記事は筆者が調べた情報や、友人の香港人からの情報に基づいて作成しております。可能な限り正確な情報を掲載するよう努めていますが、誤情報が入り込んだり、情報が古くなったりすることもあります。必ずしも正確性を保証するものではありません。
香港の歴史
香港ってどんな国?
香港の魅力~食べ物~
香港で最近起きているデモについて
香港の歴史
私があまりに香港に頻繁に行くので、周りの人からたまに、「香港って中国だよね?」なんて言われることがあります。確かに、香港=中国?と混乱してしまうかもしれません。それには香港が辿ってきた歴史が関係しています。まず、香港の正式名称は「中華人民共和国香港特別行政区」です。香港は1842年から約150年間、イギリスに統治されていました。1997年に香港はイギリスから中国へ返還されましたが、50年間は資本主義体制、独立的な司法制度と法治、自由貿易と言論の自由を保証するという取り決めがされました。これによって社会主義の中国の中に民主主義の香港がいる状態になっています。これを「一国二制度」と呼んでいます。
そして、この一国二制度が、今香港で起きている逃亡犯条例に反対するデモにも関係してきています。最近のデモについては、のちほど。
香港ってどんな国?
では、実際、香港はどんな国なのでしょうか?香港がどこにあるか、いまいち分からないという日本人もいるかと思います。香港はここにあります!
写真左下
拡大するとこんな感じ
香港は中国の深センと陸で続いています。日本(東京)から直行便で約5時間。面積は1,106平方kmで東京都の約半分、人口は約734万人で、日本の16分の1程度です。香港に行ったことのある人なら、超高層ビルが密集している光景が思い浮かぶかと思います。そうです、香港はとにかく人口密度が高いです!世界の人口密度ランキングでは香港は第3位(ちなみに第1位はマカオ、第2位はシンガポール、日本は第25位)となっています。
民族は90%が中華系です。香港は金融都市でもあるので、日本を始め、世界各国からの駐在員も多いですし、メイドとして出稼ぎに来ているフィリピンやインドネシアの人たちも大勢います。
では、香港では何の言語が話されているのでしょうか?基本的には、広東語、中国語(北京語)、英語が使用されています。広東語は中国の広東省と香港で主に話されています。ちなみに、広東語と北京語は、違う言語といっていいレベルです。日本語の標準語と関西弁レベルの違いではありません。香港では学校教育で北京語と英語を習います。しかし、香港の友人の話では、最近では、中国本土から移住してくる人がとても多く、小学校などでも北京語しか話さない子供もいるとのことでした。
香港では英語が通じますので、旅行では不自由しないかと思います。ただ、ご年配の方の中には英語を話さない方も多いです。また、旅行する際には、簡単な広東語のフレーズを覚えていくといいかもしれません。
また、香港は先ほど述べた通り、金融都市なので、主要産業は金融業、不動産業、観光業、貿易業となっています。
色々と書きましたが、私の中での香港を簡単に表すとしたら…
・超高層ビルが立ち並ぶ都市!
・とにかく人が多い!
・夜景が綺麗!
・食べ物がおいしい!
・じめじめ暑い!
・街中が賑やかで活気がある!
という感じです。大体の香港のイメージが湧いたでしょうか?
では、次は香港の魅力を紹介します。
個人的に、香港の最大の魅力は食べ物が最高に美味しい!ことだと思います。
海外に行く時の楽しみの一つが食べ物といってもいいのではないでしょうか。
中華料理がメインです。広東料理、北京料理、そして国際都市ということもあり、カフェやイタリアン、インド料理、タイ料理、何を食べても美味しいというのが個人的な感想です。
とりあえず、おススメを紹介します。
飲茶(ヤムチャ)
私が愛してやまないものの一つです。飲茶とは、中国広東省、香港、マカオなどを中心に行われている習慣で、お茶を飲みながら点心を食べることです。
大きな円卓に大人数で座り、蒸籠に入った小龍包などの様々な点心をみんなで分け合う光景がおなじみですよね。
こんな感じです。
点心の種類はとてもたくさんあります。おなじみ小龍包やシュウマイ、小さい肉まんのようなものから、カスタードクリームが入ったお饅頭のようなものまで様々です。
もちもちで美味しい〜
番外編!
インスタ映え抜群の飲茶もあります。
可愛くて食べるのがもったいない!
味も美味しい!
ガーフィールド飲茶!
エッグタルト
香港に行ったら絶対に食べてほしいのがエッグタルトです!エッグタルトのお店もありますし、普通のパン屋さんやケーキ屋さんにも出来たてのエッグタルトが並んでいます。
エッグタルトの生地にはパイ生地のものとクッキー生地のものがあるので、是非両方試してみて下さい!
ちなみに、すごくお洒落でインスタ映えするエッグタルト屋さん。
Queen Sophie(酥妃皇后)というお店で、チェーンで何店舗かあるようです。このお店では、エッグタルトも色んな味がありました。
香港式ミルクティー
そして、エッグタルトと一緒におススメしたいのが、ミルクティーです!日本やヨーロッパで飲まれているミルクティーの何倍も濃厚で香りが強いことが特徴です。ちょっと調べてみたら、1950年代から飲まれるようになったようです。香港式ミルクティーは、濃く入れた紅茶に、エバミルク(無糖練乳)、またはコンデンスミルクを入れたものです。エッグタルトにすごく合います!
これはホット
これはミルクティーとコーヒーのミックス!
また、日本でも香港式ミルクティーを楽しみたい方におススメなのが、インスタントの香港式ミルクティーです。香港のスーパーにたくさん売ってます。色々試しましたが、私の1番おススメは、リプトンの
金装倍醇奶茶(Gold Milk Tea)です。
実は、私は香港に行くまで、パイナップルパンの存在は知りませんでした。
香港の友人達におすすめされて食べたら、これがすごく美味しくてはまりました。
こんな感じの見た目です。
ちなみに、パイナップルが原材料ではないので、パイナップルの味はしません。
日本でいう、メロンパンのような位置づけで、見た目がパイナップルに似ているから、パイナップルパンと呼ばれています。
このパイナップルパン、普通に食べることも出来るのですが、おすすめが、中にバターを挟んで食べる食べ方です!メニューで「菠蘿油」を選ぶとバターが挟まってきます。
温かいパイナップルパンの中で濃厚なバターが溶けてすっごく美味しいです。
カロリーが怖いですが、せっかく香港に来たのなら是非食べて欲しい一品です。
香港式デザート
日本のあんみつとかが好きな方は、香港で「糖水」というデザートを食べてみて下さい!
びっくりすることに、これ、温かいのが基本みたいです。もちろん、マンゴーとかは冷たかったですが。
タピオカドリンク
さて、日本は空前絶後のタピオカブームですね。タピオカドリンクの発祥は台湾ですが、香港には日本にはまだ上陸していないタピオカドリンクのお店がたくさんあります。
香港のタピオカドリンクを色々試しましたが、1番美味しいのがTiger Sugarというお店です。こちらも台湾発のお店で、日本にはまだ上陸していません。
こんな感じのお店。
黒糖を牛乳で割った感じです。すごくモチモチしたタピオカに、黒糖と牛乳が混ざり合って、最高に美味しいです。
大袈裟に聞こえるかもしれませんが、このタピオカドリンクが、今まで飲んだ中で1番美味しかったです。世界一のタピオカドリンクだと思います。
香港でも、今はこのTiger Sugarが1番人気らしいです。早く日本に上陸して欲しいです!
ちなみに、お隣の韓国には既に上陸しているので、日本上陸も近いかもしれませんね。
お粥
日本でお粥を食べるのは、具合が悪い時や、胃腸が弱ってる時ですよね。でも、香港ではよく朝ご飯にお粥を食べます。これがすごく美味しいんです!
味も、シンプルなものから、海鮮系、鶏肉系と種類がたくさんあります。
キュウリも写ってますけど、右側がお粥です!
もはや、香港の食べ物についてひたすら語る記事になってしまいました。それだけ、香港の食べ物に恋している私ですが、次のトピックへ。
香港で最近起きてるデモについて
最近、ニュースでよく香港のデモや大規模なストについて報道されているのは皆さんご存知かと思います。このデモは、犯罪容疑者の中国本土への引き渡しを認める「逃亡犯条例」の改正案に反対するものです。どういう事かいまいちピンと来ない方も多いのではないのでしょうか。
産経新聞の記事が分かりやすく説明してたので引用します。
「逃亡犯条例」改正案とは?
香港が犯罪人引き渡し協定を締結していない国・地域の要請に基づいて、容疑者引き渡しを可能とするものだ。香港政府が4月に立法会(議会)に提出した。現在、香港は米国など20カ国と犯罪人引き渡し協定を結んでいるが、中国本土やマカオ、台湾との間にはない。香港紙、星島日報(電子版)によると中国は55カ国と犯罪人引き渡し条約を調印していて、中国の特別行政区である香港とは結んでいない。香港政府トップの林鄭月娥行政長官は「法の抜け穴をふさぐため」必要な措置だと強調している。
なぜ条例改正の動きが出たのか?
昨年2月、香港人の男が台湾で恋人を殺害し、逮捕される前に香港に戻るという事件が起きた。香港政府は、犯罪人引き渡し協定がない台湾への身柄移送ができないことを理由に、このような事態を解消するため条例改正が必要だと主張している。
反対運動が起きているのはなぜか?
香港は1997年の中国返還後も「一国二制度」で高度な自治が50年間認められているのに、条例改正により同制度が事実上崩壊すると反対派は懸念している。香港政府は引き渡し対象となる犯罪を限定するなどしているものの、実質的に香港市民も中国当局の取り締まり対象になる恐れがあるためだ。香港の根幹をなす「一国二制度」が揺らぐことで、世界の経済・金融センターとしての地位低下も心配されている。
具体的に想定されるケースは?
香港で活動する活動家など中国政府に批判的な人物が、容疑を作り上げられて中国本土へ引き渡されるといった懸念を反対派は挙げる。香港を訪れた外国人ビジネスマンや観光客も、引き渡し対象になる可能性が指摘されている。
引用元
https://www.sankei.com/world/amp/190612/wor1906120020-a.html
このデモですが、すでに長期化しており、毎週のようにどこかでデモが行われています。主催者発表では、200万人が参加したとされています。ざっくり言って、人口の4人に1人が参加していることになります。
デモ自体は、基本的には平和に行われていますが、一部ではデモ隊と警察が衝突して、催涙ガスなどが使用され、デモ隊に怪我人がたくさん出ています。
香港の未来に絶望して、自ら命を絶ってしまった若者も残念ながらいます。
さらに、7月末には駅で、白シャツを着た集団が棒や傘で乗客を無差別に攻撃する事件も発生しています。この白シャツ集団は、マフィアや親中派集団と言われていますが、真相は分かっていません。
さらに、先週末には、大規模なストライキも発生し、ディズニーランドでも一部従業員によるストライキが発生、本 香港国際空港を発着する200便以上が欠航となるなど、市民生活に混乱が生じています。
2014年の雨傘運動もそうでしたが、香港のデモは若者が中心となって行われています。私の友人達もデモに参加しています。
香港人は、自分たちのことを中国人と言われるのを嫌います。香港の友人達を見ていて感じることは、彼らは本当に香港を愛していて、香港人であることに誇りを持っているということです。そして、みんなが自分の意見をしっかり持ち、自分達の未来、権利のために戦っているという事です。
そんな彼らを見ていて、私は日本人の若者として、少し自分の事、そして日本の現状が恥ずかしくなってしまいました。私はもちろん選挙には行きますが、先日の選挙でも、投票率は50%を下回りました。有権者の2人に1人は選挙に行っていないのです。日本人がいかに政治に無関心かを香港の友人に話したところ、日本は平和だからだよ、と言われました。その友人は、「逃亡犯条例が改正されたら、大袈裟かもしれないけど、中国政府の悪口を話しただけで、逮捕されてしまう危険性だってある。」と話してくれました。
私は香港が大好きです。香港の食べ物も、活気のある街も、フレンドリーな香港人も、綺麗な夜景も、ジメジメした蒸し暑さも、全部含めて、香港という国が大好きです。
なので、現在の香港の状況はすごく心配です。
香港のみんなを応援すると共に、どうかこれ以上の暴力、怪我人、犠牲者が出ないことを心から祈っています。
香港に恋した1人の日本人として、そして友人として、まずは香港で起きていることを自分できちんと理解して、そして、少しでも多くの日本人に香港の素晴らしさ、そして現状を知ってもらいたくてこの記事を書きました。
デモが少し落ち着いたら、みなさんも是非、香港に行ってみてください!
香港の友人達との一枚。
頑張れ香港!