The World Is Your Oyster

英語勉強法、留学、国際交流、海外旅行や日々の出来事について徒然なるままに書いていきます。

言葉の海を漂う

前回の記事から半年以上経過していた。

色々と書きたいことはあったのだけど、仕事や勉強でバタバタしていてなかなか書けないまま半年.....

 

この半年間で色々なことがあった。

まず、初めての転職をした。それも、ずっと目指していた社内通訳翻訳の仕事に転職することができた。人生というのはタイミングとご縁が大切なのだと感じた。

 

前職でも、社内の翻訳や通訳をすることはあったけれど、頻度はとても少なかった。それでも、通訳学校に通ったり、自分でこつこつ勉強したりしてきて、夢は叶うのだなあとしみじみと感じた。

 

上司にも同僚にも恵まれて、毎日新しいことを学びながら、通訳と翻訳を専門に仕事ができる毎日が本当に楽しい。といっても、自分の実力に落ち込んだり、本当に自分にできるのかという不安に(特に同時通訳会議前)押しつぶされそうになる時もあるのだけれど、自分のやりたかった仕事をやらせてもらえる環境に感謝したいと思う。

 

私はどちらかというと、通訳を専門的にずっと勉強してきたのだけれど、今の仕事は割合としては翻訳が圧倒的に多い。

 

毎日どんな感じかというと、タイトルの「言葉の海を漂う」状態なのだ。

私の場合、英→日の翻訳がほとんど。技術や法律系でもないので、どれだけ自然で読みやすい日本語に翻訳できるかが勝負

 

最初の三ヶ月くらいは、業界の言葉や言い回しを覚えるのに苦労してきたけど、最近になって、やっと自分なりの翻訳方法というか、スタイルのようなものが出来てきた気がする(もちろんまだまだ課題は山積みだけれども)。

 

言葉の海を漂う、とはどんな感じかというと、膨大な言葉の中から、その文書、スタイル、雰囲気、著者の言いたいことにピッタリ合い、そして日本語として自然な表現(単語)を、もがきながら見つけ出すという感じ。

 

特に、自然な表現を見つける際に、コロケーションは重要だと思っている。

例えば、デザインを説明している文章で、"XX company uses a logo with flowers"という文章が出てきたら、まず思いつく訳は、「XX会社は花のついたロゴを使用している」だろう。ただ、「花のついたロゴ」ではあまりしっくりこない。そこで、「花をあしらったロゴ」ならどうだろうか。こちらの方が日本語として断然しっくりくる。

 

このような「花のついたロゴ」→「花をあしらったロゴ」に変える作業を繰り返す。これがなかなか難しい。普段から、日本語のセンスというか、言葉の感覚を研ぎ澄ませておく必要があると感じるようになった。

 

しっくり来る日本語がパッと浮かぶ時もあれば、悩みもがいて、1つの単語の訳語を長い時間をかけて悩むこともある。まさにこれだ!という単語を見つけた瞬間は、単語で溢れかえった海から、やっとの思いで顔を出せたようなイメージがある。

 

自分の理想としては、翻訳された文書(日本語)を読んだ人が、それが翻訳されたものだと感じないくらい自然な日本語を目指している。

 

が、これがなかなか難しい。原文作成者との相性もある。論理展開や、言葉のチョイスなど、やはり人によって違うので、この文書はとても翻訳しやすい!という時もあれば、頭を抱えてしまう文書もある(もちろん、自分の英語力、理解力、そして背景知識が不足していることが最大の原因ではあるのだけれども)。

 

言葉の世界は広くて深いものだなあ、もっと本をたくさん読まなくてはいけないな、と感じた。それでも、翻訳の世界は難しくて、そして楽しい。もっと言葉に敏感になりたい。

 

そんなことを思いながら、また月曜日から、言葉の海を漂いながら、頑張ろうと思う。