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はだいろ(肌色)って?クレヨンから考えるBLM運動

アメリカで黒人のジョージ・ フロイドさんが白人警官に膝で首を押さえつけられて殺害されたことをきっかけに、アメリカを始め、 世界各国で人種差別や警察の暴力に反対する抗議運動が大きく広が っています。
抗議運動では"Black Lives Matter" (黒人の命も大切だ)というスローガンが使われ、 BLM運動と呼ばれています。
日本でも、大阪や東京の代々木公園でデモが行われました。

人種差別の問題は、世界的にも昔からある根強い問題です。特に、黒人差別の問題は、私もドキュメンタリー映画やTED Talkなどで関連動画を見たことはありますが、まだまだ自分には知らないことがたくさんあると思い、関連書籍を読み始めたところです。

 

そんな中、ふと思ったことがありました。
それは、ニュースで、 代々木公園で行われたデモ参加者へのインタビューを見ていた時のことです。
日本人と、 アフリカ系の両親の間に生まれて日本で育ったその女性は、 小さい頃から、何気ない一言で差別を感じてきたと言います。
その女性が子供の頃、 学校で書いた自画像を見せてこう言いました。
「自分の似顔絵を描こうってなった時に、最初はクレヨンの” はだいろ”で塗ってたら、友達に”お前は違うだろ” と言われたんです」

そして、プロ野球オコエ瑠偉選手も、 自身のTwitterへの投稿で、次のことを語っていました。
保育園で先生が「醜いアヒルの子」の絵本を読んでいると、 他の園児が自分を見ながら笑って、「 俺が周りとは違うと初めて認識させられた出来事だった」。
また、 親の似顔絵を描く際に、だいだい色をした「肌色」 のクレヨンしかなかったのが悔しくて、 涙ながらに茶色のクレヨンで描いた。

そこで、はっとしました。私が小さい頃も、 クレヨンのだいだい色は確かに”はだいろ” と書かれていたことを。


当時は、特に疑問にも思いませんでしたが、本当なら、” はだいろ”はその人それぞれ違うはず。アジア人、白人、黒人、 みんな違うのに。


それでも、日本で生まれ育った日本人に、クレヨンを見せて、「” はだいろ”を選んでください」と言えば、おそらくほとんどが、 何も考えずに”だいだい色”を選ぶでしょう。
でも、世界の色々な人種の人に、"Pick up a cryaon of your skin color"と言ったら、それぞれが違う色を選ぶはずですよね。

 

今のクレヨンはどうなっているのかと思って、調べてみると、 今はもう”はだいろ”は使われておらず、”うすだいだいいろ” が使われているそうです。
消費者から、”はだいろ”は差別につながるとの批判が多くなり、 1999年頃から、多くのメーカーで”はだいろ” という表現が使われなくなったそうです。

NHKの生活情報ブログに詳細が書いてありました( 2018年の記事です)
https://www.nhk.or.jp/seikatsu-blog/800/299152.html

 

”無意識”って怖いなと思いました。でも、もしかしたら、この" 肌色”という表現も問題ないと思う人が、 日本にはまだまだ残念ながらいるのかもしれません。
代々木公園でのデモに関するニュースのコメントやTwitter の反応には、”日本でデモをする必要はない” ”コロナが広がるからやめて欲しい” "日本が嫌なら出て行けばいい"などが多く、悲しくなりました。
職場でも、上司たちが、” 東京でデモやってるからコロナの数も減らないんだよ~” という会話をしていて、残念な気持ちになりました。

 

282万9,416人

これは、昨年時点の在留外国人(中長期在留者と特別永住者の合計)の数字です(出典:法務省HP)。そして、この数字はもちろん過去最高です。

島国で単一民族国家だった日本ですが、状況は変わってきています。

本当にありきたりな言葉ですが、様々な人種、文化、背景を持った人がもっと共存できる社会になればいいなと日々思っています。

 

もう一つ、私がテレビを見ていて感じる違和感があります。特にそれを感じるのはテレビ東京の「Youは何しに日本へ?」です。個人的には、面白くて好きな番組ではあるのですが、1点、違和感というか、納得できない点があります。

それは、取材対象のほとんどが非アジア人だということ。欧米の白人が取材を受ける場合が多いです。アジア人に密着取材をしている回は、ほとんどないのではないでしょうか。

ちなみに、2019年の国別訪日外国人は、1番多いのが中国です。そして、韓国、台湾、香港、アメリカと続きます。

恐らく、番組制作側が非アジア人を選んでインタビューしているのだと思います。

テレビだからしょうがない、嫌なら見なければいい、と言ってしまえばそれまでなのですが。

せめて、メディアのこういう部分に感覚が麻痺しないようには気をつけたいなと思います。

 

今はもう、クレヨンが原因で差別や嫌な思いをしている子供はいないかもしれません。

でも、きっと私たちの知らないところで、肌の色や見た目が周りの子供と違うというだけで、きっと差別を受けたり、嫌な思いをしている子供はたくさんいるんじゃないかな、と思います。

 

まずは世界で起きていること、そしてその背景をみんなが知ろうと思うことが大切なのかな、と小さい頃のクレヨンの記憶を辿りながら思うのでした。

 

とりあえず、私はこの本を読むことからスタートしてみます。

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